ここ数カ月悩みながら考えてきたことなのですが、職場の近くにある駐車場にノラ猫が数匹います。
その数は増えたり、減ったりと、外で生きる環境の厳しさを意味しているかのようです。
そこには2匹の雌猫がいるのですが、体は子猫のようにとても小さくて、痩せています。
その駐車場は広く、近くには飲食街があり、猫たちはたまにご飯らしきものをもらってりしているようです。
私もその中の1人です。
それでも、猫たちはガリガリに痩せています。


寒さの厳しい冬には風邪で鼻をやられ、臭いが嗅げないことで餌を与えても食べることが出来ないこともありました。
そんな中、子猫が産まれても寒さと飢えで死んでいくことを考えたら、やはり避妊手術をするしかありません。
この夏にその2匹の雌猫は、子猫を産みました。
合わせて4匹いた子猫は、今は2匹だけとなっています。
そして、これから寒い季節がやってきます。
私は去年のこの時期に、寒さと飢えで死んでしまった子猫を目にしました。
余りのショックに、号泣でした。
それが、私の実家に無理やり頼んで娘にしてもらった花ちゃんの姉妹です。


救えた命と、救えなかった命の差が、いつまでも消化できない問題として私の心の中に傷を残しました。
そのどうしようもできない悲しみは、外の世界では連鎖される悲しみです。
私なりに解決に進めた答えは、避妊手術でした。
受け入れ先の病院は3か所見つかっています。
その中で、ジンくんがお世話になっている動物病院へお願いすることにしました。
仕事を終えてから私だけでの捕獲は、結構一苦労で、母猫に会えない日もあるので、時間だけが無情に過ぎていく感じでした。
それが、昨日一歩進展しました。



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↑旦那さんの名誉のキズ?です。


いつも夕方の時間になると駐車場に集まる猫たちなのですが、昼間はどこにいるのか分かっていません。
なので、休日に私が一人で来た時もなかなか会うことが出来ないでいました。
それが運良く昨日は見つけることが出来ました。
もう、既に私の足元にすり寄って来ています。
捕獲用の洗濯ネットは手にしていたので、それを旦那さんに渡して取りあえず受け入れ先の病院へ電話をしました。


すぐに院長先生が出てくれて、以前相談していた野良の母猫の話をしました。
これで避妊手術のための、受け入れ準備が整いました。
私が院長先生と電話で話している間に、旦那さんとその母猫は仲良しになっていて(母猫は警戒心がとても強い猫なのですが…。)、旦那さんが嬉しそうにしていました。
旦那さんに受け入れ確認が取れた話をしたら、「じゃ~捕獲するね!」と、片手で母猫を持ち上げ、もう片手で洗濯ネットに入れようとしていました。
どう考えても、絶対無理やん。
私は目が点でした。


母猫は暫くうちの旦那さんの手の中にいましたが、洗濯ネットを被せようとした時に危険を察知して手から逃げ出そうと激しく暴れました。
旦那さんも、これはしまった!と思ったのでしょう。
逃がさないように猫と格闘です。
その結果、母猫は逃走、うちの旦那さんの手はキズだらけ・・・というか、血だらけ。


すぐに、捕獲失敗の電話を動物病院に入れて、旦那さんの傷の手当てをしました。
ちょうど私の職場が近かったことと、近くにドラッグストアがあったので、キズの処置はすぐに出来ました。
でも、旦那さんはかなり落ち込んでいました。
キズもかなり痛いと思います、それ以上にノラ猫で生活をしている猫を少し甘く見てしまっていたと反省をしているようです。


そうです、この母猫にこれだけの警戒心がなかったのなら、外の世界で今まで生き抜いて来れなかったと思います。
それだけ人間にとって安全な日本という国は、外に暮らす生き物たちにとっては安全ではない国なのです。
警戒心は、生きていくために必要なんです。



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↑実家のお嬢ちゃん(花ちゃん)です。


今日捕獲に失敗をした母猫の子どもが、この花ちゃんです。
花ちゃんも、ほぼ凍死寸前のところを保護することが出来ました。その記事はこちら→
今は、実家の「主」となっています。
動物が苦手な母も、今は花ちゃんの虜です。
いつ行っても元気いっぱいのお嬢ちゃんなので、なかなか写真に収めることができません。ブレブレ




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↑保護当時の花ちゃんです。


ジンくんとほぼ同じ頃に花ちゃんを保護したので、あの頃はホントにもう大変でした。
今ある命に嬉しい気持ちは変わりはありませんが、猫の世界を知ってからは、本来生きることは厳しいことであり、命は平等で、そして尊いものであると、自分にも置き換えて考えるようになりました。
動物の世界を丁寧に探っていくと、そんな大事なものが見えてきます。
人に教わること、自然から学ぶこと、そして動物と触れ合うことで知ること、それによって泣くことや怒ることは多いかもしれないけれど、それらを少しでも受け入れる謙虚な心だけは育んでいきたいと思っています。



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