ご心配をかけていました、ネモちゃんの肺の影ですが、結果から言うと癌ではありませんでした。

その言葉を聞いた時、気持ちが楽になり、力が抜けたというか、心底ホッとすることができました。

土曜日の夜、ネモコの呼吸に変化を感じて、とても嫌な予感がしました。

日曜日の朝、休診日にもかかわらず病院を開けてもらいました。

レントゲン検査で映し出されたネモちゃんの肺には、塊と見える影がありました。

私の目からはどれがその影にあたるのか全く分かりませんでしたが、獣医の説明で影と言われる状態を理解することが出来ました。

右肺の前葉部分にくっきりと、そして左肺の後葉部にうっすらと影(白いもの)が見えます。

すぐに腫瘍と結びつかなかった私は、水ですか?と尋ねてしまったほどです。

この影が塊であって、それが腫瘍であるかどうかは細胞を採取して検査をしないと判断ができない、この段階で言えることはそれは水では無いことでした。

幸いなことに、その塊は皮膚に近い場所にありました。

この場合だと、針を刺して細胞を取り出すことができるそうです。

ネモちゃんには、これまでたくさんの注射をしてきたので、私自身が経験もしたことの無い針を刺して細胞を取り出す行為は、出来ればさせたくないと瞬間的に思ってしまいました。

ですが、それは違っていました、一番ネモコの体に負担が少なく済む最善の方法でした。

レントゲン撮影を終えて、皮膚に近い場所に塊があることが分かったことで、次にエコー検査でより正確な位置と大きさを特定していました。

超音波検査なので、身体には無害です。

反射波を画像化しているので、リアルで診断がし易いのだと思います。

この時点で、塊が皮膚に近い場所にあること、その大きさが概ね2cm大であることが判明しました。

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 ↑ 2週間前のネモちゃん、この頃は比較的元気で、伸びをしながら寝ています。(ミーちゃんも伸び)


ネモちゃんの呼吸が落ち着いていたこと、そしてこの日が病院の休診日でスタッフがいなかったことで、体に針を刺して細胞を取り出すことは、日を改めて行うことになりました。

私も、旦那さんも、病巣の正体云々ではなく、肺に塊があること自体が尋常ではない状態なので、動揺を超えて落胆と沈んだ気持ちになりました。

食事を作る気にもならないし、食べる気力さえありません。

本当はこんなことではダメなんですよね、私たちがネモコを元気づけなければならないのに。

ですが、レントゲンに写る影の存在は、想像もしていなかっただけに相当なショックとなりました。

頭では分かっているんです、悪性の腫瘍だったら胸を開いて取り出すだけ。

抗がん剤治療もある。

でも、もし転移していたら。

こんなに痩せて、弱り切った体にメスを入れるなんて、例え病巣を取り除く医療行為であっても、果たしてそれがネモコの生きる道なのか、センちゃんのように手術をして辛い状態のまま死なせてしまうのか。

何が一番重要で、最善策は何か、そして、それは誰のためなのか。

私が考えるネモコへの医療行為は、私にはしてあげられないことの中の一つの手段にすぎません。

それが命を守るために縋る場所であっても、全てが助けるための道ではないです。

体のケアよりも、気持ちのケアを優先させたいと、本能で考えてしまいます。

その部分が、いつも旦那さんと意見が分かれるところなんです。

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 ↑ 2週間前は、ステロイド剤の投与回数を増やし(←本当は多用したくない)、食事も自ら進んでカリカリを食べていました。


この日の診察から、一日考えて、ネモコの肺にある塊の事前検査自体を別の医療機械で再実施したいと思いました。

実際に肺に影はあるのですから、結果が同じになることは百も承知です。

でも、何かもう一つ、そう思うのです。

隣町にあるミーちゃんの掛かり付けの動物病院「心恵堂」へ予約を入れて、呼吸が落ち着いたネモコを車に乗せて午前中に移動しました。

本当なら体力が落ちているので、長距離の移動は避けたいのですが。

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 ↑ 一昨日のネモちゃん、状態は良くないです。顔が険しくなっていますが、これでも私が声を掛けながら体中を撫でて、伸びをしたりします、癒され中なんですよ。


こちらの病院は予約の時に状態を説明するので、私がお願いしていた院長先生の他に腫瘍認定医師が迎えてくれました。

大きな病院ですので、様々な患者さんを診ています。

そんな経験豊富な獣医師と、これまた有能なスタッフが多く揃っています。

しかも院長先生は、ミーちゃんとビビの一年毎のワクチン接種と健康診断でお世話になっているだけなのに、その一年前に話したネモちゃんの口内炎のこと、治療薬に使っていたクリンダマイシン(アメリカでしか手に入らない抗生物質)のことを覚えています。

そんなことまでカルテには書いていないはずなのに。

ただ、ネモちゃんのことを「モネちゃん」と何度も呼んでいたので、「ネモです」と小さな声で言ったら、「失礼しました」と笑顔が返ってきました。

名前なんてどうでもよいなんて、この病院では院長先生からしてあり得ないのですね。

院長先生からは、ネモちゃんの掛かり付けの病院からレントゲンの画像を持参していますか、と尋ねられました。

この動物病院の評判として、丁寧な診察と聞き取りの他に、診察代、治療費が良心的であることをよく耳にします。

それは、無駄を徹底的に省いて、最善のことだけをしていくから。

治療日数など、全てがスピーディー。

私はいつも院長先生にお願いしていますが、診察台に乗せるとまずは身体の色々なところを触って診察を始めます。

悪い所を伝えれば、さらに重点的に触診、そして目で見て状態を確かめます。

痛みを伴っているから嫌がるはずなのに、院長先生に掛かるとあの気の小さいミーちゃんでさえ、見せてくれます。

毎回スゴイな!って思います。

それに、どこの動物病院でも診察代って取られていると思うのですが、ここの診察はその料金分以上を満たしてくれています。

だって、飼い主が出来るような診立て以上のことをしないと、診察って言えませんものね。

レントゲンで肺の影を確認して、気になっていた二つの影のうち、一つは塊ではないことが判明しました。

そして、エコー検査で、右肺の前葉部分にある塊が、3.5cm×1.5cmと正確な大きさも分かりました。

画像を見ると、更に塊の正体に近づけました。

腫瘍ではなく、膿のようなもの。

所々にカルシウムの粒がたくさんあって石灰化している様子が、鮮明に画像で見えるんです。

暗室になっているエコー室に呼ばれて、院長先生の説明を受けながらその画像を見て、更に気が付くと、数名のスタッフに柔らかなベッドで体を広げて押さえつけられているネモコの表情は、とてもリラックスしていることに驚きました。

嫌がるとか、姿勢を立て直そうとか、そんな素振りはみじんも感じられません。

病院の中なのに、安心しきっているんです。

しかも、体を抑えられているのにーーー

塊を画像で確認後、細胞を取って検査をするか尋ねられました。

腫瘍でない限り、手術の必要が無いからです。

やはり、体に針を刺して細胞を取る方法なのですが、痛み的には注射をするようなものだということが分かりました。

ただ、超音波をあてながら塊の場所に的確に針を刺さなければ意味がありません。

ネモコは安心して体を預けているし、ピクリとも動きません。

考えているだけだと、不安いっぱいだった処置なのに、いつの間にか私が安心していました。

腫瘍でないことと、手術の心配もないことで、私の心が晴れました。

笑顔が止まりません。

採取した少量の細胞を電子顕微鏡を通して画像として見ると、掃除屋とか(←これくらいしか覚えられなかった)、うーん、復唱したのですがその場で忘れた、名前が2つ3つ出てきました。

で、ある名前の細胞がいるからこの塊は急に出来たものではなく、長い時間を掛けて出来たようです。

それが、数年か数か月掛けて出来たものかは分からないけれど、ネモコが外に出ることが無いことで、誤嚥によって気管に入ったものと考えられるそうです。

誤嚥は右肺に起り易く、前葉部分にあることからその疑いが濃いようです。

口内炎が、一番の原因に考えられると言っていました。

治療法としては、消炎剤と抗生剤を使って、これ以上大きくならないことを経過観察することを言われました。

ネモコは、口から薬を飲ませることができないので、液体の抗生剤を使って注射をする摂取方法しかありません。

今ネモコに使っている「コンベニア」という二週間持つ抗生剤は、特に皮膚に効果がある抗生剤のようです。

できればクリンダマイシンのように、口の中に効くものが良いようです。

液体の抗生剤なのでクリンダマイシンになるのですが、その親戚のようなものがあるのでそれを使ったら良いでしょうということになりました。

ただ、病院にあるものは200mlの瓶ものです。

少量のものが無いか確認してご連絡しますと言うことになりました。

私でも的確な薬が見付けられそうな素晴らしい薬物一覧表ようなファイルがあって、抗生剤でも様々な種類があることが分かります。

院長先生が、何とか系とか、色々説明してくれました。 ←うーん、面白そうだけれど、覚えられないよー

そんな説明を受けている間に、奥にある処置室の方でネモコがタオルで丁寧に体を拭いてもらっているのが見えました。

それも、気持ち良さげに・・・笑。

大体の説明を聞き終えると、いつの間にかネモコが私の後ろにあるキャリーバッグの中に納まっています。

ここの先生はじめ、スタッフの総合力、恐れ入りました。

午前中の診察時間がとうに過ぎていたので、獣医とスタッフのほとんどは休憩に入っていました。

そうなると、病院内は解放されるようで、院長先生の犬や病院に住む犬(病院に捨てられた猫も飼っています)、色んなワンちゃんが散歩しています。

私がミーちゃんを拾って初めてこの病院を訪れたときの2mくらいある大きな犬(←老犬になってしまいました)もいます。

めちゃめちゃ小さい犬もいます。

みんな自由に院内を散策していて、目の保養と言うか、院長先生の説明がほとんど頭に入っていなかった。

ヤバイーーーー!!! 真剣で熱心に説明をしている院長先生には悪いけど、このワンちゃんたちを目の前に出されてしまったら、私はメロメロで思考回路も止まってゼロ!

院長先生の話はいつまでも聞いていたいけど、このワンちゃんたちのそばを離れたくない・・・だけど、今度は会計で、もう帰らないといけないのかーーーー。

医療機械の使用の他に、2人の獣医と2名のスタッフを長時間拘束しておいて、診療費が1万円もしないなんて、あぁ、嬉しいけれど安過ぎではありませんか、院長!!

明るい気持ちで帰宅すると、夕方前に院長先生から電話がありました。

液体のクリンダマイシンが、つい最近日本で発売されているとのことでした。

私も使うのは初めてで、と院長先生もなぜか嬉しそう、笑。

金額も安くて、ネモコの体重3.4kgに対して1日2回を注射して10日分が、なんと1,500円。

インターフェロンなんて、同じ10日分で1万円もしちゃうんだから、驚きの激安だよー!

しかも、口内炎に効くし、肺の膿にも期待が持てる。

一石二鳥?なのか。

でも、今までも抗生剤はずっと使用し続けているのに、膿の塊が出来ちゃったんだよね、なぜだろ?

いえいえ、そんなことで悩んでいてもしょうがない、良くなることを信じてネモコに私の元気を運ばないと~♪

余りの喜びで、院長先生を抱きしめたいと思ってしまった(笑

  ひたちなか市にある「動物病院 心恵堂」の診療科は、ここをクリック → 



ご心配を掛けましたが、腫瘍ではないとのことで、ひとまず安心しています。

ありがとうございました。


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