先週末まで、東京国立博物館の平成館で、「日本国宝展」が開催されていました。

土偶なんて、仏像なんて、興味がな~い!

なーんて、言わないでください(笑

展示物の全てが国宝なので、それはもう見応え十分、とても贅沢な展覧会でした。

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13年ぶりの国宝展だったので楽しみにしていたのですが、週末が忙しくなかなか出掛けることができなくて、11月の終わりにようやく見てきました。

9時30分の開館時間の10分後には到着したというのに、既に入場規制が掛かっていて、80分待ち(笑

上空には鳥が飛んでるし、スカイツリーもよく見える、少しの紅葉だって楽しめちゃうので、並んでいても少しも苦になりませんでした♪

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私たちが出掛けた前日には、来場者数30万人を達成していました。

そして、驚くことに私の前に並んでいた人は、フランス人です。

ご夫婦で来ていたようで、ずっとフランス語で会話をしていました。

しかも、笑顔でよく後ろを見るので、冷や冷やしていました(笑

こういう時、せめて笑顔を返せることができたなら・・・、悲しいかな、私は目を合わせることもできなかったです。

でも絶対、あのとき笑顔で答えていたら話しかけられてたと思う(汗)  絶対ムリ。

ですが、フランス語は何を言っているかさっぱり分かりませんでしたが、話す音を聞いているのはとても心地よかったです。

日本語も、そういう優しい音に聞こえると嬉しいと思いました。

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そうそう、11月30日まで教科書でも有名な「金印」が公開されていました。

12日間の限定で公開された「金印」でしたが、見るものすべてが国宝だとどれも劣るものが無くて、金印どころではないんです。

でも、ちゃんと見てきましたよ~

ただ、教科書に載っていたイメージと違って、かなり小さめに感じました。

私、どれだけ大きな印章を想像していたのでしょうね(笑

一辺が2cmほどの正方形で、重さは約100g、金位は22金だそうです。

日本最古の金製品である金印は、その上に乗るどくろを巻いた蛇が印象的ですよね。

漢の光武帝から贈られた金印は、江戸時代中ごろに田を耕していた時に偶然発見されたと、子どもの頃に聞いたことがあります。

はい、まさにミステリアス!

それと、期間限定で「正倉院宝物」を見ることができたのですが、残念ながら私はこの期間には間に合いませんでした(泣

正倉院は、国内外の大変貴重な宝物をはじめ、聖武天皇と光明皇后ゆかりの品が収められているところに魅力を感じます。

大切に、守り伝えられてきたからこそ、宝物なのでしょうけれど、ロマンチックですね。

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今回の日本国宝展のテーマは、「祈り、信じる力」です。

祈ること、信じることで救いを待つ時代、今の時代に生きる私にはとても切なすぎます。

自分で叶えられることが多くなった分、祈ることが少なくなって、祈る力も弱くなっているのかな。

自然と手が合わさるように、祈りの矛先が明確になるように、どの展示物も人の手で作られたはずなのに魂が宿っているようで、逆に私の方が見られているかのようでした。

音声ガイドプログラムのナレーションは、竹下景子さんです。

どうしても、「読む」と「聞く」が両立できない(笑


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さすがに土偶は人気がありました。

私には分からない魅力が、あるのでしょうね。

国宝に指定されている全5体が集合しましたよ~

それと人気だったのが、法隆寺の「玉虫厨子」です。


私は記憶に無いのですが、こちらも教科書に載っていたようです。

その名の通り、透かし彫りの金具に「玉虫の羽」を敷き詰めて、その数2,563枚が確認されているそうです。

じっくり見たのですが、その玉虫の羽が確認できません。

みんな小声で同じようなことを言ってました(笑

Eテレで見たときは、キレイな玉虫の羽の緑色が鮮やかに確認できたのですが、なぜでしょう。

意外と人気で人が足を長く止めて見ていたのが、「地獄草紙」でした。

こちらは、天道、人道、修羅道、畜生道、餓鬼道と並ぶ、六道の一つで「地獄道」を描いた作品です。

その地獄は、罪の重さに応じて8つの階層からなっており、屎糞所、函量所、鉄磑所、鶏地獄、黒雲沙、膿血所、狐狼地獄など。

その中で目を引くのが、「鶏地獄」です。

現世で生き物を殺生してしまった人間が堕ちる地獄で、炎に包まれた鶏が口から火焔を吐いて、堕ちてきた罪人をしきりに蹴って踏む、というような説明が書かれていました。

この当時、野鳥を食べることは許されていたようですが、鶏の食用は禁止されていたそうです。

そして、平安以前から闘鶏が「鶏合せ」という名で行われており、神事や占いとして宮廷や神社でも行われた記録があります。

その「鶏合せ」の様子が鶏地獄と呼ばれる所以で、雄鶏は自分のテリトリーに入ってきた相手に飛びかかって蹴爪で首や胸を切り裂く習性を利用したもののようです。

無意味に弱い生き物の命を奪う人は、鶏地獄へ堕ちて欲しいものです。






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